私の祖父は
１年ほど前から完全に目が見えなくなりました。

祖父の全盲を知ったとき

祖父は初めは普通に見えていました。

緑内障と白内障で徐々に見えなくなり、
今では全く見えません。

私が見えなくなってきていることを
実感したのは
遠近感が分からず、差し出されたものを
空振りしてしまった時。

私がショックでした。

元気でいつも面倒を見ていてくれた祖父の
苦悩している姿を見るのがつらかった。

祖父は一階ではなく、昔から二階で一日を過ごしています。

全盲になった今も二階で過ごしています。

確かに危険はありますが、
祖父はそのほうが心が落ち着くのだと思います。

一方、実家に遊びに来ている私は
とても敏感で、上で少しでも物音がすると
飛んでいきます。

それは夜中でも同じです。

私がこうまで敏感になる理由は
祖父は二階で迷子になるから

全盲の祖父には、方向感覚がまったくありません。
一度目印としているものを触り損ねると
一気にどこにいるのかわからなくなり、
目的地にたどり着けなくなります。

息子たちはそんな姿をみて
率先して私の祖父の面倒を見るようになりました。

「ひぃじーちゃん、大丈夫ーーー？」と下から声をかけ
手を持ち、片方の手は壁をつたわせ、目的地まで連れていきます。

トイレにもついていき、便座に座らせてあげます。
そして出てくるまでトイレの前で待っています。

祖母は「そっちじゃない」「こっち」という指示の仕方なので、
祖母の声がしたら、息子たちがすぐに向かいます。

息子たちの案内の仕方が、とても丁寧で優しく
分かりやすく教えていることに驚きを感じます。

「ここ危ないだろうな」「ここ痛そうだな」「これ知ってたほうがよさそうだ」
そういうことを自分で考え、手助けできる息子たち。

私が勉強になります。

人を大切に思う気持ち、いたわる気持ち
６歳と３歳でも教えなくても
しっかりと持ち合わせていますね。

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